薬を使わない精神科医/みやじっちのメンタルセラピー
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2012年

1月

23日

「ロシア風道化師・クラウン:YAMAさん」インタビュー

日常生活の中にある滑稽さこそが、自分の求めるクラウンの姿

人を楽しませてくれる道化師(クラウン)のお仕事

道化師と聞くと、たいていの人は「ピエロ」と思い浮かべると思いますが、これがなかなか奥が深い。今回は、ロシア風道化師のクラウンYAMMA(ヤマ)さんにお話を伺いました。

 

ヤマさんは落語やコントを目指し、高校を卒業後、愛知県岡崎市から上京。たまたまアルバイトで入った「サーカス・レストラン」で観たクラウンのショーに魅了され、クラウン芸の世界へ入ったそうです。残念なことに「サーカス・レストラン」が閉鎖されてしまい、もっと勉強をしたいと、ロシア国立モスクワサーカス学校の校長宛てに紹介状を書いてもらったヤマさん。26歳で4年制の学校のクラウン科で一年間、留学生として過ごし、技を磨きました。

日常生活の中にある滑稽さこそが、自分の求めるクラウンの姿

サーカスの出し物の合間に観客から笑いをとるのがピエロ。と思っていましたので、クラウンも同じような笑いを提供するのだと思っていました。でも、ヤマさんはもっと深いところを目指していたのです。

 

クラウンにはヨーロッパとアメリカ、2つのスタイルがあるといいます。アメリカのクラウン(私たちにはピエロのイメージが強いのですが)は別世界の生き物で、常識ではあり得ないことやギャグなどのパフォーマンスを披露するエンターティナー。それに対してロシアを含むヨーロッパのクラウンはあくまでも“人”。人であるクラウンが懸命に何かを行う、その姿がユーモラス。それがヨーロッパ・クラウンの魅力だと言います。

 

私たちの日常の中にも、一生懸命なのに、なぜかユーモラスで笑える人ていますよね。

 

「目ヤニを指で拭って、その目やにの付いた指を拭くものがない。う?ん、どうするのかな?とみているとまた目に戻す」こんな光景を見ると、つい「プッ」と笑ってしまう。こんな日常にありそうな滑稽さをヤマさんは追究しているのです。日常生活の中で見せる滑稽な様子こそが、自分の求めている道化なのだと。

言葉を使わない芸は世界中どこででもコミュニケーションできるのが強み

帰国後は日本の伝統芸への強い関心から、江戸太神楽十三代家元鏡味小仙に2年間師事するとともに、横浜「野毛大道芸」や各地フェスティバルをはじめ、韓国インチョンの「クラウンマイムフェスティバル」やシンガポール「パフォーマンスフェスティバル」にも出演と、国内に留まらず海外にも活躍の場を広げてきました。幼稚園や小学校、児童館などからの出演依頼も多いヤマさん。公演の後には子どもたち相手のトークショーも行なっています。

 

ヤマさんはまた、ソロ活動のほかにもオペラ歌手・宮城摩理さんとのユニット「青い卵」でも活動をしています。「オペラとクラウンはクラシックという意味でも世界感が似ています」とヤマさん。台詞を使わず歌と身体表現で繰り広げられる二人のショーは、敷居が高いと思われがちなクラシックの世界を子どもから大人までが気軽に楽しめるショーになっているそうです。

3・11から一年が経とうとしています。今、被災地の子どもたちに笑顔が戻ったのだろうか

 今年3月に起こった東北地方太平洋沖地震に強いショックを受けたヤマさんは、大道芸人を中心としたパフォーマー連合「被災地応援パフォーマンス団」にも参加し、被災地の人々を応援する活動を続けています。

 

 被災のあった直後、居ても立っていられず物資を届ける人に同行して女川へ行ったヤマさん。あまりにも悲惨な現状で、クラウンとして僕は何の役にも立てなかった……。と思ったそうです。昨年の夏、改めてNPO主催のプロジェクトなどに参加して、ようやくヤマさんはクラウンとしての役目を見つけたそうです。

 

 「被災にあった人々は、笑える心ではない」とヤマさんは言います。衣装もメイクもせず、素顔のままで芸を披露したそうです。「僕らクラウンの役目は、彼らの心を引き上げる力になること。クラウンは大道芸とは違う。無理に笑わせるのも違う。もしかしたらただ話を聞くだけでいいのかも知れない」、そして彼らに「寄り添って行くこと」だと。

 

 「クラウンは人の純粋な姿。多くの人にクラウンを知ってもらいたいです。上手く行かなくても、トラブルがあっても、悲しい時でも、一生懸命に前向きに生きていくクラウンの姿は僕の理想。クラウンのように生きていきたい」と語るヤマさん。クラウンとは、その生き方を見せるものなのだと、取材を通して心に強く感じました。

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