【コラム】生きるって、スゴイ!:第2回

人は生まれた瞬間から死に向かっての秒読みがはじまる。当たり前ですが。
通常、人生を全うして亡くなると、お葬式に初七日に一周忌に、初盆などなど、亡くなった方の供養の行事がまっている。
最近では、故人を忍んで「お別れの会」をする方も増えてきているとか。
沖縄県八重山(石垣島)などに伝わる「アンガマ」をご存知だろうか。
数年前にその様子を写真で見せてもらったことがある。にわかには信じられない!
「アンガマ」は分かりやすく言うところの「儀礼集団芸能団」。旧暦7月の盆に家々を回り舞踊や念仏踊り、アンガマじいさん・ばあさん(あの世の人)とこの世の人がユーモラスなやり取りをする。
それはそれは、とても賑やかでユニークなやり取りだそうだ。
地元青年団がその役をかってでる。おじいさんとおばあさんの仮面をつけて、あの世のようすを話してくれる。三線と太鼓が鳴り響く中、それも楽しそうに……。
この世の人の質問にも応えてくれるって、亡くなった人との、こんな交流もあるのかと驚かされる。
とてもほがらかで温かさと存在感がある。
すごいです。人って素敵なことを考えるものですね。
文:林さち子 / イラスト:yam